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小国ナウルの悲劇

ナウルってどこ?と言う人が殆どではないでしょうか。

ほぼ赤道直下の太平洋に浮かぶ孤島です。
世界で一番小さい国は?と質問すると、バチカン市国と答えられる人が多いですが、ナウルはバチカン、モナコに続いて世界で三番目に小さい国なんです。東京の港区ほどの大きさの小さい島で、人口は1万人程度。

もともとは魚を捕って生計を立てるような暮らしの島だったのに、あることをキッカケに日本やアメリカの倍以上の所得、それも働かないで(働いているのは役人のみ)この国はかつて、一人当たりGDPが2万ドルを超えるという、今の産油国並みの裕福さでした。

なぜか? アホウドリのお陰なんです。
島に生息するアホウドリの糞が堆積して長い年月を経て変化を起こし、その結果、島中をリン鉱石が覆うことにななりました。このリン鉱石が化学肥料の原料として、高く売れたのです。

掘れば売れる。一気に豊かな国になりました。

結果、税金は無し。(国民は働かず、外国人を雇う)電気などの各種公共サービスはすべて無料。教育費、医療費も無料。外国への大学留学費も国が出してくれる。個人の家事や掃除のために、国が家政婦を雇ってくれた。1970年代は超リッチな国でした。

しかし、リン鉱石の乱掘によって荒れた島では農作物が育たなくなり、食料は全て輸入。
何処に行くもの車かバイク。と言うよりも、運んで貰えるので家を出て行く必要なし。飽食と運動不足のため国民の殆どが肥満になり、1/3は糖尿病。

そうこうするうちに、1990年代には、リン鉱石の産出量が減り始める。だが、国の歳出はなかなか減らせない。そして資源は枯渇する。銀行は月に一度しか開かず、商店に商品はない。病院に受診するお金がない。リン鉱石の採掘のほかに産業がないので、魚を捕って暮らす昔の生活に戻るか、外国に出稼ぎに行くしかない・・・

この期間は半世紀足らずの話。
それにしても、もうイソップの寓話みたいな話ですが、何とも今の日本も似たようなものじゃないかという怖さを感じます。

もともと資源のない日本がこれだけ豊かになったのは、材料を輸入して、日本で加工して付加価値を付けて輸出する貿易力のお陰です。農業国だった日本はいつしか工業国へ、食料自給率はどんどん下がり、食品の殆どを輸入に頼る状態になりました。

日本で加工するよりも中国など外国で加工した方が人件費が安いという理由で、仕事を外国に廻してしまったために、国内での仕事が無くなってしまいました。それから金融によるマネーゲームでバブルな経済が日本の豊かな生活を支えます。高度成長期は国民保険料は高齢者無料と言う時代でした。

でもそんなリッチな時代は長く続きません。バブルが弾けて経済は右肩下がり。その上、仕事を外国に廻したことで失業率が上がる上、その付加価値技術を外国に奪われてしまいました。

日本の技術は丁寧で安心と言っても、人件費は外国の倍以上します。安さで価値を判断する人、あるいは低所得者は外国の安い物を買いますからお金はどんどん外国に出て行ってしまい、国内の仕事がどんどん無くなりより失業率が増え、働ける場所が無くなります。

便利に慣れ、機械化に慣れ、労働しなくなった人達は肥満が増え、内科的にも整形外科的にも慢性疾患が溢れています。

以前、中田宏前横浜市長が横浜市の老人の公共交通無料パスを廃止しました。彼はいろんなことで改革して1兆円の無駄使いを無くしたのですが、未だに中高年は危機感を感じていない人が多いんじゃないかと思います。これからは国が税金で何とかしてくれません。一部の富裕層は水も空気も安全もお金を出して手に入れています。誰でも当たり前に無料で手に入る時代ではなくなりました。日本は決してもう豊かな国ではないんです。

技術も経済力も健康度もどんどん落ちているのです。
病気にならない暮らしをするにはどうしたらいいか、ちゃんと考えるときが来ているようです。

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